人生で一度あるかないかの解体工事。やはり、解体業者とのトラブルは避けたいもの。
頼んだ業者が悪徳な業者であった為に、産業廃棄物の違法処理、高額な追加費用の請求など…。
大きなトラブルに悩まされてしまう方は、少なくありません。
では、悪徳業者に騙されることなく、信頼できる業者を選ぶにはどうしたら良いのでしょうか。
実は、その業者が解体工事に必要な「許可」を得ているかどうかが、業者選びにとても重要なのです。
解体工事をしていい業者かどうかの確認
解体工事を行うためには、土木工事業、建築工事業、とび・土工工事業のいずれかの建設業の許可が必要となります。建物を建てる建設業者は、建物の解体工事を行うこともできるということです。
いずれの建設業許可も得ていなかった場合、解体工事業の登録をする必要があります。
解体工事業を営む業者であれば、元請け業者であっても下請け業者であっても関係なく、建設業許可か解体工事業登録をしている必要があります。
ただし、80㎡以下の小規模な建物の解体工事に限っては、建設業許可・解体工事業登録のどちらも得ていなくても施工することができます。
また、解体工事業登録はそれさえあればすべての解体工事を行ってよいというわけではなく、工事費用が500万円以上の解体工事には建設業許可が必要とされています。したがって、解体工事業登録のみ所有の解体業者には、工事費用が500万円以下の解体工事の施工が可能というわけです。
建設業許可・解体工事業登録は事前に確認を
解体工事の依頼をする前に、その解体業者が必要な建設業許可を得ているか、解体工事業登録をしているかどうかを確認しておくと、その業者が本当に信頼できる業者かどうかを判断することができます。
確認する方法としては、解体業者のホームページに記載されているかどうかでも判断できますし、直接解体業者へ連絡し、「許可番号、登録番号を教えてほしい」と問い合わせることもできます。
また、都道府県によっては、市役所で「解体工事業者登録名簿」を確認することもできますので、不安な場合はまず市役所に相談してみても良いでしょう。
産業廃棄物を処理できる業者かどうかの確認
産業廃棄物運搬業、産業廃棄物処分業の2つを総称して、産業廃棄物処理業といいます。
産業廃棄物処理業の許可は、あくまで解体工事で発生した産業廃棄物の処理に必要な許可であり、なくても解体工事自体を施工することに関しては問題ありません。
産業廃棄物運搬業の許可とは
産業廃棄物運搬業の許可は、その名の通り産業廃棄物を処理業者まで運搬するための許可となります。
ただしこの運搬許可は他の業者から委託された場合に持っていなければならない許可であり、施工業者が自分たちが工事で発生させた産業廃棄物をそのまま運搬する場合については、なくても問題のない許可です。
産業廃棄物処分業の許可とは
産業廃棄物処分業の許可は、産業廃棄物の中間処分、最終処分をする際に持っている必要があります。
この許可を持たずに産業廃棄物を処分する事は法律で禁じられており、解体工事から廃棄物の処分まで一貫して行っている業者がこの許可を持っていなかった場合、違法な悪徳業者ということになってしまいます。
工事後、マニフェストを発行しているかどうかの確認
マニフェストとは、産業廃棄物管理票と言われる産業廃棄物を処理する過程を記す管理票のことです。
マニフェストは「マニフェスト制度」によって解体業者と処理業者に対して発行が義務付けられており、解体工事の施工業者が最終処分まで一貫して行う場合、そして施工業者が廃棄物の保管施設を持っている場合を除き、必ず発行しなくてはいけません。
マニフェストは7枚綴りになっており、解体工事施工業者から産業廃棄物運搬業者、そして産業廃棄物中間処理業者と最終処理業者へと渡り、それぞれの業者が問題なく作業を終えたこと記します。そして、最終的に解体業者のもとに保管票、運搬終了票、処分終了票、最終処分終了票が帰ってきます。
施主は工事終了後に最終処分終了票を確認させてもらうことができます。最終処分終了票には各業者のサイン、最終処分が終了した日付が書いてある為、全ての作業が問題なく行われたことを確認できるのです。
「マニフェストの最終処分表を確認させてください」と申し出たとき、業者が渋ってきたり、理由をつけて見せてもらえなかった場合は注意が必要です。
まとめ
それぞれの許可には、条件によって持っていなければならない・持っていなくてよい場合があります。
ご自身の依頼する解体工事にはどの許可・登録が必要になるのかを知り、確認することが重要です。