解体業者の選び方

解体工事は工事の中でも、特にトラブルの多い業種です。騒音や埃・振動が大きく、ご近所からの苦情がきて裁判に発展することもあります。また悪徳業者による金銭的な被害も発生しています。慎重に選ばなければトラブルを招きかねないのが解体工事ですが、何を基準に業者を選べば良いか迷われると思います。工事におけるトラブルを未然に防ぐために、安心できる解体業者の選び方についてご紹介します。

解体業者選びのトラブル

解体業者を選ぶときに、知り合いやハウスメーカーに紹介されたという理由だけで業者を決める方もいらっしゃいます。しかし、よく調べずに業者を選ぶと、見積もりが安いと思ったらトラブルが起きた、実際は他の業者に任せたほうが金額が安くすんだというケースが発生し後悔することになりかねません。工事の後に後悔しないためにも、業者選びを間違えるとどのような失敗が起きるか、事前に理解しておくことが重要です。

ご近所からのクレーム

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業者選びを間違えると、工事の施工主であるご自身がご近所とのトラブルに見舞われる可能性があります。解体業者がご近隣に挨拶をしない、路上で喫煙するなどマナー違反の施工業者や、養生をきちんと行わず埃やごみをまき散らし、近隣の家屋に傷をつけてしまう等、今までに様々なトラブルが報告されています。
トラブルに巻き込まれないためにも、解体業者は慎重に選ぶことが大切です。

工事後に高額な請求をされる

解体工事を行う前に安い見積もりを出し、工事後に理由をつけて高額な請求をする悪徳業者も存在します。工事には解体工事費・処分費・養生費など削減することのできない費用があるため、安すぎる見積もりには何かしらの問題があります。また解体後のことを全く考えずに、建物だけを解体した為、ずさんな工事後になるというケースもあります。金額があまりにも安い業者には注意が必要です

業者選びの3つのポイント

解体業者を選ぶ際、何を基準に選べばトラブルに合わず円満に取り壊しを終えられるか、判断基準に迷われると思います。ここでは技術けでなく、価格も信頼できる業者を選ぶためのポイントをご紹介します。

人柄をチェックする

実際に会って話をするとき、社長の人柄が良いと価格も技術も安心できる傾向にあります。また会社の社長と見積もり担当者だけでなく、作業員の人柄も厳しくチェックしましょう。実際に工事を行のは現場のリーダーと作業員なので、作業員たちの対応により、工事中のご近所トラブルが防げるかも変わってきます。実際の作業現場やオフィスで、現場のリーダーと作業員の人柄を見極めることで、きちんと判断をすることが出来ます。

過去の実績を確認する

今までどのような工事を行ってきたか、苦情や批判を浴びたことがないかを、過去の実績を見て確認します。下請けの仕事ではなく、実際に自社で信頼得て行った工事であるかがチェックポイントです。ただし何か過去に問題を起こして会社を変えるケースもあるため、全てではないですが設立後3年以内の会社や、事務所がマンションの一室、重機を保有していないという会社には注意をして下さい。
また事務所を構えている会社かもチェックをします。事務所を構えている場合は、重機を保有している・解体工事専門の会社である可能性が高いです。解体工事専門の会社でない場合は、下請けを使うため費用が多くかかる場合があります。重機に関しても、自社で重機を保有している解体業者に選ぶほうが、工事費用を安く抑えることができます。

許可書を保有している

解体業を営むには、法律により決められた許可を受けることが必須です。「建設業許可」または「解体工事登録」という許可のどちらかを受けることが必ず必要です。「解体工事登録」は1件についての工事金額が500万円未満の工事、「建設業許可」は請け負い金額の制限がなく工事を行えます。無許可の営業を行っている業者でないか確かめる為にも、どちらかの許可を持っているかを確認することをお勧めします。
また「マニフェスト表」という廃棄物の処分に関して決められた書類を、きちんとコピーで提出してくれるかも確かめましょう。廃棄物処理法で「マニフェスト制度」が解体業者に義務づけられているので、渡すのを拒む業者には工事の依頼を控えたほうが懸命です。
(原本は施工業者に5年間の保管義務があります。)

工事を依頼する前に行うこと

解体業者を選ぶときのポイントをご紹介してきましたが、実際にこれから何をすればいいか迷われるかと思います。安心できる業者を選ぶために、これからご自身でどんなことをすれば良いかについて詳しくご説明します。

ホームページを見る

業者のホームページを見る際は、過去の実績以外にも、次の3点を確認して下さい。無許可での営業を行っていないか、無駄な費用がかからないかを確かめるためのチェックポイントです。もしホームページに記載がない場合は、役所に問い合わせることも一つの手段です。事務所に関してはストリートビューを活用することで、実際の大きさや重機は保有しているかが分かる場合もあります。
①建設業許可か解体工事登録を保有しているか②事務所を構えている③トラックや重機を保有している

実際に会って話をする

ホームページを見ただけでは分からないことも多いです。そのため実際に会った時、何を見てどのような質問をすれば、より良い情報を手に入れられるか一覧をご参考にして下さい。

ご自身への対応を見る

業者がご自身にどのような対応をしているかも判断材料になります。解体工事の前にご近所へ挨拶を行うだけでなく、作業員は工事中に解体工事の状況などを、ご近所の方に突然尋ねられる場合もあります。そのとき作業員の対応が丁寧かどうかは、クレームの有無にも繋がります。その為お客である自分に丁寧に対応しているかを、実際に会ったときに確認しましょう。

実績を質問する

実際にどのような工事をどのくらい行ってきたのか、実績を聞くことは重要です。しかし直接的な質問をしづらいと感じた場合は、「家を解体するときは、どのような流れで工事が進みますか?」といった質問をしてみましょう。工事の件数が多い業者なら、現地を見ただけで立地や建物の特徴から、どうやって車を搬入してどう壊してと具体的な流れを話してくれます。他にも気になった点を聞いたとき、疑問に丁寧に答えてくれる会社はプロ意識の高い業者です。

マニフェスト票・道路使用許可申請の確認

マニフェスト票とは、工事のときに排出された産業廃棄物を、どの会社が運搬しどう処分するかというを明記する書類です。このマニフェストは法律によって決められたものです。廃棄物の違法処理をしている業者でないか確かめる為、「マニフェスト票のコピーをもらうことはできますか」と聞いて見ましょう。また解体工事を行うときは、「道路使用許可申請」を警察署へ提出する必要があります。この道路使用許可申請をきちんと行ってくれるかも事前に確認しておきましょう。

現場を見る

手間がかかってしまいますが、実際にご自身の目で確認することは、安心材料の一つになります。事務所や現場に行ったときに、作業員がご近所の迷惑になるような場所で喫煙をしていないか、現場リーダーと実際話してどのような人柄かを判断しましょう。
また工事現場では養生シートからも、どのような業者かを判断できます。工事中はご近所への配慮のため、必ず養生シートを貼り工事を行います。この養生シートが粗雑なものだと、騒音や振動などが酷くなりご近所トラブルに繋がります。ブルーシートを使っていたり壊れたままの養生シートを使う業者は、安全面でも心配があるため避けましょう。古くても綺麗な養生テープを使用している業者や、会社の名前がプリントされた養生シートを使用している業者は、信頼できる業者である可能性が高いです。

まとめ

馴染めのない解体工事では、ご自身で調べたり比べたりくすことなく業者をえらび、トラブルに巻き込まれるケースが多いです。ご近所トラブルや金銭面でのトラブルを未然に防ぐ為には、慎重に解体業者を選ぶことが重要です。工事後に後悔しない為にも、依頼を考えている業者のホームページを確認するだけでなく、実際会ったときによく話を聞き出し、多くの情報を手に入れた状態でしっかりと解体業者を選びましょう。