「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案」が閣議決定されました

「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案」が、令和5年3月3日に閣議決定されました。

この特別措置法には、当協会が取り扱う「解体工事」に関わる内容も含まれます。

空き家の解体を検討されているお施主様や工事を請け負われる業者様は、改正法律案の概要についてお知り置きくださいますようお願い申し上げます。

「空家等対策の推進に関する特別措置法」とは?

「空家等対策の推進に関する特別措置法」は、全国で問題視されている空き家への対策を目的とした、国が定める法律のことです。

この法律は平成27年5月26日にすでに全面施行されており、行政は空き家の所有者の許可なしで敷地内に立ち入り調査をしたり、住民票や戸籍などから個人情報を確認したりできるようになっています。

また、行政は問題のある空き家を「特定空家」に指定し、その所有者に対して助言・指導・勧告・命令を実行するとともに、必要に応じて罰金や行政代執行を行なうことができるようになっています。

特別措置法の一部が改正された背景

「空家等対策の推進に関する特別措置法」が一部改定される運びとなった背景には、将来的な空き家数の増加が懸念されていることにあります。

居住目的のない空き家は、1998年から2018年の20年間で1.9倍にまで増え、今後も増加していくことが予想されています。

そのため、空き家の除却等をさらに促進するとともに、空き家が周囲に悪影響をおよぼす前に有効活用するなど、適切な管理を総合的に強化する必要があると判断されました。

閣議決定された法律案の概要

ここからは、閣議決定された法律案の概要についてご紹介していきます。

所有者の責務強化

空き家の所有者の責務について、改定前までは「適切な管理の努力義務」に留まる内容でしたが、新たに「国、自治体の施策に協力する努力義務」が追加されました。

空家等の活用拡大(空家等活用促進区域)

市区町村が「空家等活用促進区域」および「空家等活用促進指針」を定めた場合に、接道規制や用途規制を合理化し、用途変更や建て替え等を促進できるようになりました。また、市区町村長は、区域内の空き家等の所有者等に対し、指針に合った活用を要請できるようになりました。

空家等の活用拡大(空家等管理活用支援法人)

市区町村長は、空き家の管理や活用に取り組むNPO法人や社団法人等を「空家等管理活用支援法人」として指定できるようになりました。

空家等の管理の確保

市区町村長は、放置すれば特定空家等になるおそれがある空き家を「管理不全空家等」として指導・勧告できるようになりました。また、勧告を受けた管理不全空家等の敷地は、固定資産税の住宅用地特例を解除されるようになりました。

特定空家等の除却等

勧告等を円滑化するため、市区町村長に特定空家等の所有者に対する「報告徴収権」が付与されました。また、相続放棄された空き家に対応するため、市区町村長に財産管理人の「選任請求権」が付与されました。

そのほか、命令等の事前手続きを経るいとまがないときの「緊急代執行制度」が創設されました。加えて、所有者が不明な場合の代執行や緊急代執行にかかる費用は、確定判決なしで徴収できるようになりました。

■空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案要綱

https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001589994.pdf(PDFファイル)

お問い合わせ先

「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案」についての詳細は、国土交通省のホームページをご覧ください。

国土交通省ホームページ
https://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000160.html

また、ご不明点がある方は、下記の担当窓口までお問い合わせください。

■国土交通省
住宅局 住宅総合整備課

03-5253-8111(内線:39-373、39-353)
03-5253-8502(直通)