2019年1月末、群馬県のわたらせ渓谷鉄道で廃車になった老朽車両が同県内の解体業者に無償譲渡され、同社が建設する神社の休憩所として活用されるという記事が話題となりました。
紙面内容
この車両はわたらせ渓谷鉄道が1990年から2018年まで運行していましたが、老朽化で廃車になりました。廃車経費の節約とともに鉄道の愛好者に楽しんでもらいたいとの思いで昨年秋から譲渡先を募っていました。譲渡には数百万円以上の搬出経費を負担することが条件となっていました。県内外から55件の応募や問い合わせが寄せられる中、わたらせ渓谷鉄道は応募があった群馬県の解体業者に譲渡を決めました。
わたらせ渓谷鉄道は、「鉄道を長く支えてきた車両なので大事に活用してほしい」とコメントしています。
譲渡を受ける解体業者に直接お話を伺いました
神社をつくろうと思い立ったきっかけ
譲渡先となった解体業者は群馬県に所在する当協会の登録業者、株式会社ナグモコーポレーションです。同社の南雲登会長に応募した動機や神社を建築したきっかけを伺いました。
南雲社長は日本に新しく神社が建つのは1,200年ぶりと聞き、自身の新しいもの好きが高じて神社を建築しようと考えたといいます。以前からわたらせ渓谷鉄道に思い入れがあった南雲社長は今回の応募を知り、神社に置いてたくさんの人に見てもらいたいと思いで問い合わせたそうです。
車両はすでに神社に設置され、これから屋根の取り付けや塗装をして少し手を加える予定とお話しされていました。
南雲社長は「地域の集会場にする予定だから憩いの場みたいな感じになるかもね。珍しいものだし子どもたちも喜ぶかもしれない。これからも廃車を引き取ろうと考えてますよ。人が集まる街にしていかないとね。」と話し地域で活用されることを楽しみにしている様子でした。
人のため、地域のためにできることを
今回メディアに取り上げられた業者だけでなく、地域の清掃活動に参加する業者さんやスタッフと地域イベントに積極的に取り組む業者さんなど、近隣住民との関わりを大切にしている業者さんもいます。近隣挨拶の際に隣接する住民に処分したい不用品がないかお声かけする業者もいます。
企業によって地域や住民との関わり方は様々ですが、共通しているのは「人のためになることをしたい」という業者側の心意気ではないでしょうか。
解体工事はどうしても騒音や振動、埃が発生するため近隣地域に影響が出てしまいます。そういった状況の中で解体工事を最後まで安心して終えるには、近隣対策はもちろん、地域や住民のためを考えた行動ができる業者さんか?を見極めることが大切です。
地域や住民とのつながりを大切に考え、実際に行動に示してくれる業者さんに依頼できると解体工事を安全に気持ちよく終えることができるかもしれませんね。